
皆さんは、「フキハラ(不機嫌ハラスメント)」という言葉をご存じでしょうか?
セクハラやパワハラほど認知度は高くありませんが、実は誰もが加害者にも被害者にもなりうる、非常に身近なハラスメントです。
「フキハラ」とは、職場などで感情を抑えきれずに不機嫌な態度や行動でまわりに圧力をかけてしまうこと。
無言、ため息、八つ当たり、貧乏ゆすり…。
特に理由を説明しないまま不機嫌な雰囲気を漂わせていると、それだけで周囲は緊張し、萎縮します。
ある調査では、「フキハラを受けたことがある」と答えた人は約8割。
さらに最も多かった加害者は「上司」でした。
ここでドキッとした方もいるのではないでしょうか。
「ただ黙っていただけ」「忙しくて余裕がなかっただけ」だったとしても、部下にとっては無言の圧力。
何を怒っているのか分からない、いつ地雷を踏むか分からない…そんな職場では、若手がのびのびと力を発揮できるはずがありません。
――なぜフキハラが問題なのか?
それは、周囲のモチベーションや心理的安全性を静かに、しかし確実に削っていくからです。
とくに令和世代の若手は、「雰囲気の悪さ」や「空気のピリつき」に敏感です。
昭和世代のように“察して耐える”ことを美徳とは捉えず、不機嫌な上司とは距離を置こうとします。
だからこそ、管理職・リーダーとしては「自分の機嫌もマネジメント対象」と捉えることが重要です。
■職場で気をつけたい“フキハラ”予防策
・不機嫌になりそうな時は、一息ついてから対応する
・部下に伝えるべきことがあれば、感情的ではなく言葉で伝える
・無言や態度で「察せ」という圧をかけない
・日頃から「話しやすい雰囲気づくり」を意識する
・自分の感情の変化に気づく「セルフモニタリング」を習慣化する
感情は自然なもの。でも、それをどう扱うかはリーダーの資質です。
「不機嫌な空気をまき散らすのではなく、落ち着いた姿を見せる」そんな姿勢が、チームに安心と信頼を育みます。
もしかすると、あなたの“ため息ひとつ”が、誰かのやる気を奪っているかもしれません。
今一度、職場の空気をつくっている“自分の態度”を見直してみましょう!