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「若手を叱るな」で起こる組織崩壊。正しい叱り方は?

2024/10/31

前回のブログで、厳しくされないから会社を辞める若手が増えてきているという話をしましたが、叱られて辞める若手の方がまだまだ圧倒的に多いのが実状です。離職防止のために「若手を絶対に叱るな」という指示が出ている会社もあるようで、若手を指導する中堅社員がかなりストレスを抱えている…そんな話もよく聞きます。
若手が遅刻をしても、ミスをしても、「叱るな」と指示が出ているので、見て見ぬふり。そのせいで組織の規律は乱れ、他の社員たちの士気も下がり、崩壊寸前の会社もあるほどです。

確かに、叱るとすぐに辞めるというのは最近の若手の傾向としてあります。親や教師から厳しくられることがほとんどなく、ほめられるのが当たり前の環境で育てられたので、注意や叱責に対する耐性がありません。そこに売り手市場という好条件も影響し、「辞める」という選択肢が容易にできる時代です。

若手の離職を防ぐことは会社にとって最重要課題かもしれませんが、「絶対に叱らない」本当にそれでいいのでしょうか?
僕は疑問を感じます。

「叱り方」については研修でもよく取り扱いますが、僕は「叱る」=相手を望ましい方向に正すこと、成長の可能性を見出し、言葉にして伝える行為だとお話しています。「叱らない」のではなく、叱り方を工夫することが大切なんです。うまく伝える叱り方の例をいくつかご紹介します。

◆Case1『同じミスを繰り返す部下』
●NGな叱り方
「いつも同じミスするよね」
「また?」
「それぐらいできるでしょう」
「何回言わせるの…」
●受け取りやすい叱り方
「○○さんは能力が高いんだから簡単なミスで評価が下がるのはもったいないよ」

◆Case2『提出期限を守らない部下』
●NGな叱り方
「期限くらい守って」
「だらしない…」
「やる気ある?」
●受け取りやすい叱り方
「○○さんには期待しているから言うんだけど、提出期限を守らないと信用できない人だと思われるよ。
 なにかトラブルでもあった?」

◆Case3『消極的で受け身な部下』
●NGな叱り方
「自分の意見くらいちゃんと言って」
「いつも黙ってばかりじゃ分からないよ」
●受け取りやすい叱り方
「若手の考え方は貴重だから、積極的に意見を出してみて。いつもより意見の量を30%くらい増やしてみて。」


いかがでしょうか?
ポイントは、若手の自尊心を傷つけないことと人格を否定しないことです。
「叱る」という行為が見過ごされるということは、同じことが繰り返されるだけで、個人も組織も成長しません。
ぜひ、正しい叱り方を実践して、部下を正しく育成しましょう!

参考:『「若手を叱るな」「本気ですか?」で組織崩壊の悲劇』

参考:『即アウト! Z世代新入社員に一発で嫌われる伝え方とは?』