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「楽しい仕事」VS「面白い仕事」部下の主体性が育つのはどっち?

2025/06/12

「課長、仕事がつまらないんです。どうしたらいいですか?」
突然、若手部下からこう相談されたら、あなたはどう答えるでしょうか。
「そんなこと言わずに楽しもうよ」と励ますかもしれません。

ところが、それでは部下の悩みはますます深まってしまうかもしれません。
その理由は、「楽しい仕事」と「面白い仕事」の本質的な違いにあります。


「楽しい」は、感情的な満足や幸福感に近く、人間関係がよかったり、成功体験を得たりしたときに感じるものです。
感情に左右されやすく、再現性が低いという特徴があります。

一方で、「面白い」とは知的好奇心や発見に基づいた感覚。
難題に挑戦したり、新しい視点を得たりしたときに湧き上がる感情です。

つまり、「楽しい」は受動的なものであり、「面白い」は能動的なもの。
上司が部下に伝えるべきなのは、「楽しめ」ではなく「面白がってみよう」という視点なのです。


たとえば、「毎日の業務がルーチンワークでつまらない」と感じていた経理担当者が
「どこかに業務改善の余地はないか?」と視点を変えたことで、
仕事に対する興味が一変したという話があります。
「この帳票の確認作業、もっと効率化できないか?」といった問いを立て、
業務の中に“探究”を見出すようになってからは、目の前の処理作業にも意味が感じられるようになり、
社内で業務効率化のアイデアを提案する存在にまで成長したそうです。

これはまさに「オタク的視点」と言えるでしょう。
情報を掘り下げて、対象にのめり込む。
そうすれば仕事の本質が見えてきて、自ら「面白さ」を感じるようになるのです。


上司の役割は、部下に仕事の「面白さの種」をまくことです。
それは、小さな工夫であったり、「こんな視点で考えてみたらどう?」という問いかけです。
そして何より大事なのは、上司自身が仕事を面白がっていること。
上司が仕事の面白さを語ることができれば、それが最大の指導になります。

「仕事がつまらない」と感じている部下は、「面白くするスキル」が育っていないだけ。
一緒に面白がる視点を育てる、そんな関わりが、Z世代の若手との信頼を築き、
主体性を引き出す近道になるでしょう。

参考:「Z世代の部下から「仕事がつまらない」と言われて悩み疲れた上司、一体どう返したらいい?」